« 「名もなき毒」宮部 みゆき (著) | トップページ | おすすめミステリー小説「告白」湊 かなえ (著) »

2009年1月23日 (金)

おすすめサスペンス「ゴールデンスランバー」伊坂 幸太郎 (著)

2008年度本屋大賞受賞作。

仙台で金田首相の凱旋パレードが行われている、ちょうどその時、青柳雅春は、旧友の森田森吾に、何年かぶりで呼び出されていた。
昔話をしたいわけでもないようで、森田の様子はどこかおかしい。
訝る青柳に、森田は「おまえは、陥れられている。今も、その最中だ」「金田はパレード中に暗殺される」「逃げろ!オズワルドにされるぞ」と、鬼気迫る調子で訴えた。
と、遠くで爆音がし、折しも現れた警官は、青柳に向かって拳銃を構えた―。

精緻極まる伏線、忘れがたい会話、構築度の高い物語世界・・・・・・。

伊坂幸太郎のエッセンスを濃密にちりばめた、現時点での集大成。

杜の都・仙台を舞台に、仕組まれた首相暗殺事件の犯人に仕立てられた男が、必死の逃亡者として逃げ切り、生き抜こうとするストーリー。

謀略者や警察、マスコミによって作り出された男のにせの姿が、男をよく知る親友たちと主人公が関わっていくなかで、真実の姿へと変わっていく。
最初のうちは、虚像として映っていた絵をばらばらにして、あるべき場所にパズルのピースをはめこんでいくと、最初の像とは全く違う青柳雅春の実像が浮かび上がってくる、そんな感じ。
ぱたり、ぱたりと、主人公・青柳雅春の虚像が引っくり返されていく展開が小気味よく、絶妙でしたね。

暗殺事件の真相は、事件当時のものとは違っていたことを明らかにした上で(事件から20年後の話を描いた後に)、黒い霧の中に葬られた事件を、カットバックを巧く使いながら描き出していく話の展開、伏線の生かし方も見事だったな。
殊に、青柳雅春の必死の逃避行を描いていく中に、彼と親友、恋人との思い出の光景が差し挟まれるところがよかった。

容赦のない、冷酷無惨な謀略事件と比べると一層、彼らの脳裏に浮かぶ思い出の風景が、あたたかく輝いているように見えました。

久しぶりに読んだ伊坂ミステリー。
これは面白かった!




▼楽天
ゴールデンスランバー


▼アマゾン
ゴールデンスランバー



おすすめのミステリー小説、ミステリー本、SF、ファンタジー、サスペンスを紹介するサイト

« 「名もなき毒」宮部 みゆき (著) | トップページ | おすすめミステリー小説「告白」湊 かなえ (著) »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/9277/27390779

この記事へのトラックバック一覧です: おすすめサスペンス「ゴールデンスランバー」伊坂 幸太郎 (著) :

» 指四本はいったwww [股グングニル高岡]
ヤるたびに25萬くれるOLと今日はおごりで温泉いってきたw みんながいる風呂で、頭を洗うがごとくの自然さで立ちバック中出しやったらOL喜んで50萬くれたしwww [続きを読む]

» ゴールデンスランバー【伊坂幸太郎】 [本・月のうさぎ堂]
俺はどうなってしまった? 一体何が起こっている? 首相暗殺の濡れ衣を着せられた男は、国家的陰謀から逃げ切れるのか? 二年ぶり千枚の書き下ろし大作。 [続きを読む]

« 「名もなき毒」宮部 みゆき (著) | トップページ | おすすめミステリー小説「告白」湊 かなえ (著) »