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2009年1月22日 (木)

おすすめのミステリー小説「中庭の出来事」恩田 陸 (著)

瀟洒なホテルの中庭。
こぢんまりとしたパーティの席上で、気鋭の脚本家が不可解な死を遂げた。
周りにいたのは、次の芝居のヒロイン候補たち。
自殺?
それとも他殺?

芝居とミステリが融合した、謎が謎を呼ぶ物語のロンド。

もはやミステリを越えた独自のジャンルを築きつつある彼女だが、本作ではそのありあまる実力を見せ付けた。
本当にスゴイの一言。

「劇中劇」が本作の最大の仕掛けであり、もっとも意味を持つものというのは、少し読み進めばすぐに判る。
劇中劇それ自身は古くから多くの作家に用いられてきた手法の一つで、読者を混乱に招きつつも、作品自体に深みを持たせる重要な要素であった。
恩田陸は本作で劇中劇をひとつのジャンルとして昇華したといっても過言ではない。

さて、この「中庭の出来事」はその「中庭」で起こった事件を、幾重にも折り重なる劇中劇で展開していく。
テーマは「芝居」であり、多くは役者(女優)にスポットが当てられる。
章としては29あるが、全部で4つのパートに分けられ、それぞれが連動しながら展開していく。
ちょっと進んで困難だったら展開図とも言えるメモを作成しながら読むべき。

何が芝居?

どこまでが芝居?

だれが演じている?

何が真実?

だれが真実?

何が起こった?

何が起こっている?

何が起こるのか…?

恩田ワールド全開のすさまじい作品だが、どっぷり浸かれる素晴らしい作品。
少し進んで「?」となったら、また戻って。ゆっくり読み進めましょう。

「自分を演じてない人間はこの世にはいないと思う。
自分に与えられた役割を意識して、家の中でも、会社でも社会でも、望まれた姿を演じている」 作中335ページより

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