2007年4月 8日 (日)

あなたも治験のプロジェクトリーダー(その6):ところで『リーダー』と『マネジャー』の違いは?

ゆみぴー「ところで、この研修のタイトル「治験のプロジェクトリーダー」ということでリーダーの話をしているけれど、リーダーとマネジャーの違いって何だと思う?」

やなか爺「う~~~ん、リーダーはグイグイとみんなを引っ張っていくって感じだけど、マネジャーは管理する、という印象が強い。」

翡翠「リーダーはリーダーシップを持っている人。マネジャーはマネジメントする人、っていうのはどう?」

ひで「もっと具体的な例で考えてみない?」

くも「治験の最初の立上げのときは、みんなをグイグイと引っ張っていく人が必要で、それはリーダー的存在の人。だけど、必ずしも、その人がマネジャーということではないね。」

ピクミン「会社の人事上の立場でマネジャー(管理職)になっている人が社内的にはマネジャー。だけど、リーダーって、全社的な人事上の立場ではなく、たとえば、緊急に解決しないといけない問題が発生した時なんかによく「タスクフォースチーム」を作るでしょ?その時はAさんがリーダーだけど、そのタスクフォースチームが解散したら、Aさんはリーダーではなくなるよね。」

●人事組織上のマネジャー(管理職)は何が有っても無くてもマネジャー。

●一方、リーダーは可変的。その都度、適した人がリーダーシップを発揮する。

ドンドン「治験が軌道に乗り始めたころには、リーダーというよりは、もう少し細かい作業の管理などが必要だから、マネジャー的な人がマネジメントしないといけないかな。」

秘密研究員「じゃ、「マネジメント」って、何?」

●「マネジメント」とは(その1)

『意思決定を行い、それをチーム員に伝え、それがどれほどきちんと実行されているのかをモニターするマネジャーの仕事を指している。』(ハーバード流マネジメント「入門」 より)

メタルナイト「例えば、治験薬aaaのプロジェクトリーダーという人がいて、その人は、モニター10人を率いて、治験を進めている、としよう。ここでは「プロジェクトリーダー」というように「リーダー」と呼んでいるけれど、なかには当然、仕事のマネジメント、人のマネジメントも含まれているよね。」

よっきゅん「治験薬aaaをの治験を4月から開始して、来年の12月までに終わらせる、という会社の目標が有るならば、それを完遂するために、そのリーダーは、目標達成のための戦略を決定し、それをチームメンバーに伝え、実行する。」

ブライアン成田「そして、その実行が予定どおりかどうかをモニタリングする。」

ふじおねえ「予定と解離して、遅くなってきたら、手をうつことを考え、それをメンバーに伝え、実行する必要もあるわ。」

震電 「問題を解決する、というのも、マネジャーの大きな役割だ。」

kaizer11「その解決方法を実行するためには、メンバーのモチベーションを高め、コミュニケーションをはかる必要がある。これもマネジャーの重要な役割だと思う。」

プリンセス・オーロラ「メンバーの業務を編成することもマネジャーの仕事でもあるわよね。」

しまうま「うん、適材適所で進める。」

デーさん「メンバーのひとりにあまりにも負荷がかかりすぎたら、それを解消する手立てを考える。」

ルーシー「仕事を通して、メンバーが育つのを助けるのも、マネジャーの仕事では?」

ルパン三世「人材育成、能力開発を行い、ひいては組織をも成長させるのが、マネジャーの仕事で、それらもマネジメントと言えるよね。」

こさめ「人材マネジメント、人材育成マネジメントだ。」

●「マネジメント」とは(その2)

・目標を達成させるために行う行為。

・例えば・・・・

 ・戦略を練る
 ・問題を解決する
 ・業務を編成する
 ・メンバーのモチベーションを高める
 ・コミュニケーションをはかる
 ・業務が予定どおり進んでいるか、モニタリングする
 ・人材育成・能力開発を行う

デーモン部長「コーヒー豆のマネジメント。」

*この物語はフィクションです。

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治験の倫理と企業倫理

治験と言えば、まず真っ先に新入社員が習うのは「倫理」についてだろう。

そもそもGCPにこうある。「1) 治験は、ヘルシンキ宣言に基づく倫理的原則及び本基準を遵守して行われなければならない。」

治験は「倫理的原則」を遵守しないといけないのだ。

ところで「企業倫理」という概念もある。
日本経済団体連合会が「企業倫理徹底のお願い」等というのも出している。
   ↓

http://www.keidanren.or.jp/japanese/news/announce/20060919.html

この上のページを見ると分かるのだが「企業倫理」というと「コンプライアンスの浸透と徹底」というように「コンプライアンス」という言葉が必ず出てくる。

通常、この「コンプライアンス」とは「法律・規制の遵守」という意味で使われる。(医薬品業界、特に医療の現場で「コンプライアンス」という言葉を使うと「薬の服用率」を指す事があるので、新入社員は、この際、覚えておこう。)

では、法律を守っていれば、それで「倫理的」と言えるか、というとそうでもない。
例えば、麻薬に指定されていないが、それに類似する作用を発揮するモノを販売したら、それは直ちに法律違反ではないが、「倫理的ではない」だろう。
逆に、例えば「人種」によって仕事を差別する法律が仮にあったとして、それを守らずに「人種」による差別を無くし、公平に扱うマネジャーがいたら、それは法律違反だが、「倫理的」と言えるだろう。

もし、企業が起こした事故を隠蔽したり虚偽報告をするというのが仮に法律違反にあたらないとしても、それは「倫理的」と言えるだろうか?
もちろん、言えない。

会社ぐるみでそういうことをやっていたら、その会社は信用を失墜し、社会的に制裁される、と思っているが、最近はそれもどうかな?と思い始めている。

ところで「治験」の場合だが、治験で倫理の話になると「インフォームド・コンセント」とか文書による同意とか自発的意思による治験への参加、ということが思い浮かべるが、もちろん、治験における倫理的基準はそれだけではない。

例えば、副作用が発生したら、それを必ず創薬ボランティアに伝えないといけない。
また、治験全体で言えば、有効性だけでなく、有害事象のデータも全て集めて、そのデータをもって、新薬の承認審査を受ける。

人間の命に直接関わる薬のことだから当たり前と言えば当たり前だが、製薬会社から見たら「不都合」な「有害事象」(薬との因果関係を問わない)のデータを全て集めて、それを報告するというのは、とてもいいシステムだと思う。
だけど、そのシステムがどこかで壊れていたら、とても残念な話だ。

一般消費者から見て、「倫理的」というのは、こちらが考えて、やりすぎくらいが丁度いいのかもしれない。
間違っても、「認識が甘かった」とテレビの前でシャチョーが謝らなくて済む。と言うか、謝る、謝らないに関係なく、その事実が広く知れ渡る、渡らないに関係なく消費者の安全を守るのにやりすぎはないのだ。

企業の中で「倫理的」行動の見本、手本を新入社員に見せるのがマネジャーの仕事だ。それも、最も重要な仕事だろう。

「機体の点検・整備に対して認識が甘かった」という飛行機が有ったら、僕ならそれには絶対に乗りたくない、と思うのだ。(違うかな?)

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2007年3月24日 (土)

問題は重なる時には重なるの法則

■今週のテーマは「あなたも治験のプロジェクトリーダー(その4):問題は重なる時には重なるの法則」です。

(先週からの続きです。)

パピヨン750「そうこうしているうちに、ある施設のIRBでこの治験が却下されました。」

ぼつ「あれ~~! なんでもありの研修なんですね。」

のん「ええ、それが研修のいいところです。」

薬師寺「ついで、と言っては何ですが、治験薬の副作用らしいショック症状で創薬ボランティアが入院したという情報が、今、ファックスで入りました。」

ヨコタテ「さらに、追い討ちをかけるように、ある施設で創薬ボランティアに出す治験薬を間違えて出した、という電話がありました。」

織姫「やれやれだわ。問題が起こる時って、本当に重なるのよね。」(問題は重なる時には重なるの法則 by ホーライ)

みたらし大福「どうする?」

なつき「まず、ここまでの問題を整理してみましょう。」

1)ある施設のIRBでこの治験が却下された

2)治験薬の副作用らしいショック症状で創薬ボランティアが入院した

3)ある施設で創薬ボランティアに出す治験薬を間違えて出した

4)治験薬服用後の観察期間中に、ある創薬ボランティアで乳がんが発見された

5)有力な治験責任医師が当社のモニターのせいで、この治験から降りると言い出した

やまちゃん「あら?いつのまにか問題が増えているわよ。」(はい、研修ですから。by ホーライ)

ゆみぴー「じゃ、いつものように、これらの問題にプライオリティ(優先順位)をつけていきましょう。」

やなか爺「緊急度で言うと・・・・まず、なんと言っても、SAE(Serious Adverse Event:重篤な有害事象)の2)の創薬ボランティアの状況把握だ。」

翡翠「そうね。これはただちに、今すぐ、電話で状況を聞き、可能な限り早く・・・できたら今日中に施設を訪問して、医師から情報を集めましょう。」

(ICHガイドライン『治験中に得られる安全性情報の取り扱いについて』 参照)

ひで「次は、3)の治験薬を間違えて出した、ということだね。どう間違えたんだろう?」

くも「134組の1番の患者さんに、134組の2番の治験薬を出した、ということらしい。」

ピクミン「となると、治験薬の『HORAI-22noTANE』と対照薬の『XXX』が逆に出されたということだ。」

ドンドン「うん。どっちがどちらの薬かまだ分からないけれどね。」

秘密研究員「まず、施設に電話して、その薬を創薬ボランティアが服用したかどうかを直ちに確認してもらいましょう。」

メタルナイト「もし、服用していたら、134組の1番の創薬ボランティアは、ここで治験を中止だ。」

よっきゅん「その方に、有害事象が発生していないかの確認もね。」

ブライアン成田「データの取り扱いは?」

ふじおねえ「それは、プロトコルと解析計画書に記載されているとおり、FAS(Full Analysis Set)には入れるけれど、当然、PPSからは除外だわ」。」

(ICHガイドライン『臨床試験のための統計的原』参照)

震電「134組の2番の創薬ボランティアはどうなる?治験薬が不足するけれど……。」

kaizer11「134組の2番の創薬ボランティアが既に登録されているなら、服用前に中止。登録されていないなら、次の創薬ボランティア候補の方には134組の3番に入ってもらおう。」

プリンセス・オーロラ「この経緯もしっかりと記録しておかないと。あとで絶対に詳しく調べられるわ。」

しまうま「では、次に解決する問題はどれ?」

デーさん「4)の乳がんが発見された創薬ボランティアの情報把握だ。」

ルーシー「そうね。このプロトコルによれば治験薬服用後の観察期間に発現したSAEも、当然、SAE扱い、となっているわ。」

ルパン三世「乳がんの発見はSAEでいいんだね?」

こさめ「それは治験責任医師の判断によるけれど、治験依頼者として当社は「悪性腫瘍の発見」はSAEとして取り扱うことがSOPで決められているわ。」

スナフキン「ただ、発見された乳がんの大きさなどの情報から、治験薬を服用前から有ったと推測されるいうことなら、合併症だ。」

くりこ「そうなると、除外基準に抵触する、ということだわね。」

大黒「そうなるな。いずれにしても、まずは、情報収集に努めよう。」

社長秘書「残りの2つだけど、やっぱり、IRBで却下されたことかしら。」

るみ子の酒「そうね。何故、却下されのかしら?」

オチケン「理由は・・・・『本治験薬の開発意義が見出されない』ということらしい。」

十条「なお、『本結果に対する異議申し立てがある場合は1ヶ月以内にIRB事務局に申し出ること』とのことです。」

JOYママ「何故、開発意義が見出されないと主張するのか、もう少し詳細な理由が知りたいわ。」

ぷか「そうね。それと、この施設の治験責任医師の意見も聞きたい。」

カッコ亀井「じゃ、その2つの情報を集めましょう。」

MT「で、どうするの?」

ぽちりん「この施設ではどれ位の創薬ボランティアの登録が見込まれるの?」

BECK「事前調査では12例前後らしい。」

ハレ~「これまた、微妙な……。」

ヨネヤマ「ここのIRBが過去にも似たケースで申請却下したことがあるか、という情報も欲しいね。」

ちゃちゃ「それらの情報を集めて、IRBに再申請して承認される確率が80%以上なら、再申請、ということでいこう。」

黒丸「はい、では、最後の問題と。これはどうなの?」

フロリス「まず、どういう事情で治験責任医師がこの治験から降りると言い出したのか、あるいは怒り出したのか、ということよね。」

さら「それと、さっきの例と同じだけど、何例の創薬ボランティアの登録が予測されるのか。」

かずさ2号「この医師の学会等での影響力もね。」

みっちーK「この問題がプライオリティとしては一番、低いとは言え、問題がこじれる前に、早急にやりましょう。」

ピース「うん。こういう問題を解決するのが上手い人が社内にいると、強い戦力になる。」

フクちゃん「デーモン部長だ!」

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総合機構の人材育成だけでなく

医薬品医療機器総合機構が今後3年間で審査人員をほぼ倍増する計画が進んでいる。

審査期間が短くなるのは、僕たちとしては嬉しい限りだが、実は心配もある。

普通の会社でも、ある部署が3年間で倍増(それも2人が4人という程度ではなく、200人が400人という規模)は、そうそう有るものではない。

この人件費は、もちろん、承認申請料で賄うため、新薬は申請するだけでも数百万円から一千万円以上にもなる。

まぁ、お金のことはいいとして、問題は人材育成だ。

200人のところに2人、新入社員が入ってきたら、そりゃ、面倒見もよくなります。
それに、審査に対する影響もそう大きくない。

しかし、総合機構の場合、70~80人程度、毎年、新入社員が入ってくるようなものだ。

しばらくは、書面調査や実地調査で、また、とんでもないことを言い出す新人審査官が出てきそうだ。

僕もかつて一回だけ、泣かされた。

治験薬の使い方を書いた紙を創薬ボランティアに渡すようにしていたら、これが「予定される用法・用量」にあたるから、これは薬事法違反ですね、と新人審査官にサラッと軽く言われたことがある。(最終的に、そのご意見は無かったことになったが。)

治験依頼者(承認申請者)も治験実施医療機関も、一緒になって、総合機構の新人教育をするくらいの覚悟がちょうどいい。

……と、そんなよそ様ばかりを心配している余裕は僕には無い。

新人教育ではまず教育研修部が導入研修を行い、その後、開発部などの実戦部隊にOJTをお願いする。

集合研修にしろ、OJTにしろ、一番大切なのは、無論、講師の質だ。

では、どんな資質が講師には必要だろうか?

昔、僕があるセミナーで「モニターとして優秀な人が講師としてもいいか?」という質問を受けたことがある。

その時、僕が答えたのは「モニターとして優秀であることに越したことはないが、それよりも、教えるのがうまい人」だ。

名選手が必ずしも名コーチになるとは限らない。

では、OJTをする先輩モニターが全て「教えることが上手」かというと、そうでもない。

そこで、どうするか?

できたら、自分がやっている仕事が好きな人に任せるのが一番だ。

よく小学生や中学生が「教える先生によって、その教科が好きになるかどうか、かかっている」と言うが、仕事も一緒だ。

嫌々モニターをやっている人に新人がついたところを想像して欲しい。

果たしてその不運な新人は立派なモニターになるだろうか?(反面教師ということもありえるが。)

一方で、モニターの仕事が好きで好きでしょうがなく、イキイキと顔を輝かせながら毎日を送っている先輩モニターについた新人はどうだろう?

優秀なモニターになれるかは分からないが、少なくとも、モニターの仕事が嫌いになることは少ないだろう。

だから、総合機構の先輩をはじめ、製薬会社、CRO、実施医療機関、SMOの皆さん、できたら、仕事が好きな人に新人の教育を任せましょうね。(できたら教えるのが上手い人ならなお良い。)

人材が育つかどうかは、最初の半年にかかっている。

僕はもちろん、講師の仕事が大好きです。

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2007年3月21日 (水)

治験のポータルサイト1つ無い日本

治験が空洞化しているとか、活性化しないといけないとか言っているくせに、日本には創薬ボランティアが自分で参加できる治験を検索できるサイトが無い。

例えば、僕が花粉症だとして、今、現在、花粉症の治験をやっているかどうか、もしやっているとしたら、どこの病院でやっているのか、探そうとすると、全然ダメである。

花粉症なら、まだ少しは我慢できるが、これが「がん」やオーファンドラッグ対象の「難病」だった場合、切実に困る。

例えば僕が市販の抗がん剤がもう効かないことが分かり、抗がん剤の治験薬を使って欲しいと思っても、これまた、どこの病院でどのような抗がん剤の治験をやっているかを検索できるサイトが無い。

では、こういうサイトは作れないのだろうか?

やろうと思えば作れる。それも簡単に。

まず、日本で治験を行う場合、製薬会社(治験依頼者)は、治験の内容と、その治験を行う病院、担当する治験責任医師の一覧表を「総合機構」(http://www.pmda.go.jp/)へ提出する。

そこで、その治験が対象としている疾患名と治験をやっている病院と治験責任医師の名前だけでも公表してくれれば、それでことは済むはずだ。
(何もプロトコルを公開して欲しいと言っているのではない。)

どうして、できないのだろう?

製薬会社(治験依頼者)も公表できる部分とできない部分が分かっていると思うが、治験の内容と、その治験を行う病院、担当する治験責任医師の氏名は製薬会社(治験依頼者)が公表してもいい範囲のはずだ。

それを公表するだけで、治験が活性化するし、自分たちの治験の登録スピードも上がると思うのだが、どうだろう?

それよりも何よりも、国民(特に患者さん)が困っているのに、それをどうにかしたいと思わないのだろうか?

治験の活性化の1つの方策に「今、日本全国で行っている治験の種類(対象疾患)と実施している病院名、治験責任医師名」を検索できるサイトを是非、造って欲しいのだ。

自分ががん患者だったらどうする? 

あるいは愛すべき家族が、恋人がそうだったら、治験を検索できるサイトが欲しいと絶対に思うことだろう。

違うかな?

■治験推進センター(治験活性化センター)
http://chikencenter.web.fc2.com/index.html

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■僕の治験活性化計画 by ホーライ
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2007年3月19日 (月)

治験のパラダイムシフトに挑戦

コペルニクスは太陽ではなく、地球が回っていることを世間に広めた。
それからと言うもの人類は宇宙の主人公ではなく、ただの宇宙を構成する諸々の中のひとつであることを(好むと好まざると関係なく)認めざるを得ない、という状況になった。

食料品店の商品の並べ方は、かつては「店員」が効率良く商品を取り出せるように工夫されていた。
ところがあるとき、「店員」ではなく「お客さん」に好きな商品を効率良く取り出せるように陳列した人が現れた。
セルフサービスのスーパーマーケットが誕生した瞬間である。

品物を作る時に、材料庫から材料を作業台まで持ってきて、作業をする。
しばらく作業が進んだら、また別の材料を持ってきて作業をする。
これが仕事の基本的なやり方で、これしか無いと誰もが思っていた時代に、人間は動かずに、材料がベルトコンベアで運ばれてきて、それを組み立てる方法を考えた反逆児がいた。
工場生産に、この「流れ作業(ライン作業)」を応用したのは英国でマーク・イザムバード・ブルネル(en:Marc Isambard Brunel)が英国海軍用に滑車装置(en:Block and tackle)を作るためにアセンブリー・ラインを用いたのが最初といわれている。
1801年のことであった。出典:ウィキペディア。
この流れ作業を全社的に導入して成功したのが自動車会社のフォードだ。

「発想を変える」、あるいは「逆転の発想」と言うのはたやすいが、行うは難しだ。

例えば、こんなのはどうだろう?
創薬ボランティアの皆さん(入院患者さんを除く)には、現在、「交通費等の負担軽減費」という名目で7000円前後をお支払いしているが、ここはあえて「謝礼」と考えてみる。

入院患者さんにも外来患者さんにも治験に参加するには「精神的負担(インフォームド・コンセントとか、プラセボになるかもしれないという不安とか)」を強いている。
それも何の見返りもなく。
この状況は「ただで患者を人体実験として使っている」というふうに何十年後には思うかもしれない。

僕の母も販売後臨床試験に参加して、副作用が発生したり、普段より多くの検査を受けることに精神的にまいっていた時期がある。

治験に参加して頂いて、精神的な負担まで課しておいて、なんのお礼もしないなんて、なんという非人道的なことなんだろう!と、ここでは考えてみる。
今までの逆だ。ここはあえて、今までの慣習(慣習でしかない!)の逆を考えてみる。

治験責任医師が作る資料は、当然、治験責任医師側で作る。モニターは一切、手伝わない。(当たり前のように聞こえるが、実は、今はモニターが肩代わりしていることも、多々ある。)

日本人の治験データは、そのまんま、韓国、中国、台湾などでは無条件で使用できるようにする。
もちろん、その逆の中国や韓国、台湾で集めた治験データも、無条件で日本で利用できることとする。

僕が以前、フランス系の外資製薬会社で働いていたときのことだ。
ちょうど、ICH-GCPが導入されて治験の空洞化が叫ばれていたときに、フランス人のボスはこう言った。「日本で治験が進まないのなら、台湾や韓国で治験を実施して、そのデータを使ったらどうだ?モンゴリアンのデータならいいんだろう?」
もちろん、その案は却下されたが。

はたまた、「日本国内の治験の空洞化」をあえて促進させる、と考える。
例えば、アメリカに(あるいはイギリスに、フランスに・・・etc)住んでいる日本人で治験を行い、そのデータがFDAで承認されたら、日本では無試験でその薬を承認する。
(逆に日本に住むアメリカ人の治験データを、そのままFDAに申請データとして使えるようにする。)

こんなことをすると日本で臨床試験を行う基盤がいつまでたってもできないと思うのは学者さんだけで、病気の痛みで苦しんでいる患者さんにとってみれば、どうだっていいことなのだ。

がんの患者さんや難病の患者さん、家族の方は、一刻も早く新薬が使えるようになることだけを願っている。その新薬のデータがどこで集められたものであるかなんて、気にしない。

・・・・・・と、ここでは考えてみる。

もう一度、日本で治験をやるメリットとデメリットをあげてみよう。

あるいは、日本全国の46都道府県の全てに「治験専門病院」を設置する。
その運営資金は全国の製薬会社から一定の割合で(治験をやっていようが、やっていまいが)拠出させる。
さらに、全国民からも(税金として)拠出してもらう。

何故、アメリカでは治験が早いのか?という答えのひとつに「日本のように保険制度が整っていないから」というのがある。
だったら、治験を促進させるために保険をやめてみる。(本末転倒だ。)

もっと、もっと、荒唐無稽のアイディアを考えてみよう。(いつものように。)

2007年3月13日 (火)

★東京大学大学院薬学系研究科 医薬品評価科学講座 公開セミナー『第3回Regular Course』

開催日時
平成19年5月14日~11月5日 18:00~21:00

開催場所
薬学部総合研究棟2階 講堂

主催
東京大学大学院薬学系研究科医薬品評価科学講座 PRS事務局
            
詳細はこちら
  ↓

医薬品評価科学講座

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★DIA アジア新薬開発 第1回カンファレンス

2007年5月17日、18日

新宿、あいおい損保新宿ビル

詳細はこちら
  ↓

Title:The First Conference in Japan for Asian New Drug Development

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日本はグローバル治験に追いつけるか

▼日本公定書協会主催の研修会
http://www.sjp.jp/

●薬事エキスパート研修会

これも楽しみだ!
   ↓
GCPオーバークオリティー問題解決への処方箋を探る H19/ 5/ 14 準備中

今後の予定
   ↓
http://www.sjp.jp/11/01.htm

●薬事エキスパート研修会

~日本はグローバル治験に追いつけるか~

国際的な規模での医薬品開発が進む中で、ここ数年、アジア各国におけるグローバル治験が盛んになって来ております。
しかしながら、わが国はそのような世界の流れから完全に取り残されようとしております。

わが国が国際的な医薬品開発から取り残されることは、わが国への最先端の医薬品や医療機器の導入が大幅に遅れ、患者さんへの最先端の医療の提供が出来なくなることを意味しております。

さらには、わが国で行われる治験は常に諸外国の後追いとなり、治験関係者の治験参加へのインセンティブも大きく低下することが懸念されております。

そのような状況を改善するため、ここ数年、官民を上げた治験環境等の改善のための取り組みがなされておりますが、なお十分な効果を上げるには至っておりません。

研修会では、グローバル治験をめぐる世界的な動きや、厚生労働省が進めている治験環境改善のための各種施策、グローバル治験推進のための製薬企業の取り組み等についてご紹介いただき、改善の路を探りたいと思います。

つきましては、このような趣旨にご賛同いただき、多数ご参加いただきますようご案内申し上げます。

日時及び場所
日時: 平成19年4月24日(火)
場所: 日本薬学会 長井記念ホール 地図 (TIF)
東京都渋谷区渋谷2-12-15 ホール受付Tel. 03-3406-3326

プログラム
13:00-13:10 開会挨拶
寺尾 允男 (日本公定書協会会長)
 
13:10-14:00 グローバル治験の国際的現状と将来
大林 幹彦 (クインタイルズ・トランスナショナル・ジャパン株式会社代表取締役副会長)
 
14:00-14:50 グローバル治験の国際的現状と日本参加への課題
岩崎 まこと (グラクソ・スミスクライン株式会社取締役開発本部副本部長)
 
15:20~15:40 休 憩
 
15:10-16:00 治験環境改善に向けた行政の取り組みと成果
佐藤 大作 (厚生労働省医政局研究開発振興課課長補佐)
 
16:00~17:00 総合討論
司会: 土井 脩 (日本公定書協会専務理事)

詳細はこちら
  ↓
http://www.sjp.jp/11/02190424.htm

(その他)

「第24回新薬審査部門定期説明会」開催予定
東京 H19/ 5/29
大阪 H19/ 6/ 5

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2007年3月10日 (土)

★新たな治験活性化5ヵ年計画の活用方法(その1)

1.大規模治験ネットワーク・治験中核病院・治験拠点病院を徹底的に活用しよう!

現在、大規模治験ネットワークには1215施設(2006年9月末)が登録されている。

このネットワークと製薬企業、CRO、SMOが共同で勉強会を開催する。
この勉強会の目的は、相互にGCPやクオリティなどの認識を共通化すること、お互いに抱えている問題をざっくばらんに出し合って、それらを協力して、解決する方法を考え、実施する、ということだ。

例えば、必須文書の中で、本来は治験責任医師や病院側が作る書類を実はモニターが作成していることが多いので、それは本来の筋どおり、治験責任医師や病院側で作成してよね、とか、モニターも依頼者ごとに違うことを言ってくるので、それは統一しましょうよ、ということがあれば、そうする。

また、両者で治験実施の理想像を掲げ、それに向かう。

例えば治験の申請書はネットワーク内で統一しましょうよ、とか、モニターや監査の人は本質を見て、あまり重箱の隅を突くようなことを治験実施医療機関のは要求しないようにしましょうよ、とかね。

治験依頼者側と治験実施医療機関(あと、できれば患者代表も交えて)、治験はこんなふうになるといいな、という意見の交換会をやりましょう!

別にお互いが親のカタキ同士というわけではありませんからね。

みんなが声と知恵を出せば、それだけお互いに仕事も楽になるはず。

■治験、臨床試験の情報サイト
http://www.edita.jp/chiken/

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■僕の治験活性化計画 by ホーライ
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